ボトムズ 1/20

1/20 スコープドッグ

Kit Review

素組み + スミ入れ + デカール

リアルロボットアニメの代名詞のひとつであるボトムズの版権が、一時的にバンダイの手に渡りました。これまでは旧タカラがボトムズのプラモデルを展開しており、それをウェーブが引き継いで若干アップグレードした製品を発売していました。最近まで1/24ウェーブのボトムズキットがそれなりの名品として認められてきましたが、やはり古い金型と技術ゆえに、最新のバンダイキットと比べるといろいろと物足りない点が多かったのも事実です。

そんなボトムズがバンダイから発売されると予告されたことで、多くのオールドファンの注目を集めてきました。ところが不思議なことにスケールは従来の1/24ではなく1/20…プラモデルの世界ではF1マシンを除いてほとんど使われない、中途半端なスケールです。おそらく既存製品との差別化を図りつつ、より大きく作ることでディテールの精度を上げようという意図があったのでしょう。

1/20ボトムズの発売予告時には、これはRRRシリーズなのか?という曖昧さがありましたが、蓋を開けてみるとRRRではなく独自シリーズ――ボトムズ1/20シリーズ――として発売されました。これはいろいろと示唆するところが大きく、まず既存のRRRの評価が芳しくなかったことが大きく影響したと思います。意欲的にリアルロボットを再誕させようとしたプロジェクトは、1番手のレイズナーが想定以下の品質で販売が振るわず…それを挽回すべく多くの部分でMG級以上に設計されたエルガイムは、ガンダムとの異質感やどこか独特な雰囲気がむしろ大衆性を損なったのではないかと思います。

ただ、このボトムズキットは、実際に作ってみてRRRシリーズより数段上の高品質キットだと確信しました。意欲的に開発に取り組んだバンダイの関係者たちは、RRRというタイトルに縛られたくなかったのではないでしょうか。RRRとは次元の違うキットだ、ということを示したかったのだと思います。いずれにせよ、生まれ的にもサイズ的にも明らかにRRRに属するべきキットなのに、別シリーズとして出してきたのは少々意外でした。

さらに付け加えると、ボトムズに登場するスコープドッグはターボカスタムやレッドショルダー、ブリティッシュドッグなど様々なバリエーションで手軽に流用できるため、いっそ独自シリーズとして複数のアイテムを続々と展開したかったのだろうと思います。こうした様々な事情を背景に、いずれにせよバンダイのメカニックプラモデルのラインナップがひとつ増えたことになりましたね。

生まれについて長々と話してしまいましたが、とにかくこのキットは開発者の意欲がひしひしと伝わってくる一品です。一言で言えば、既存の他社スコープドッグとは次元の違うクオリティを見せてやるという、メカプラモデル市場をほぼ独占するバンダイのプライドと、リアルロボットの伝説であるボトムズを最高品質で仕上げてみせるという意欲が入り混じった感じです。

結果として、色分け・成形色・関節強度・ギミック・内部フレーム・機能性など、あらゆる面で既存のスコープドッグとは「品質的」に次元の違うキットを作り上げました。バンダイプラモデルの品質基準と言えるMGと比較しても、ほぼすべての部分がMG級に達しており、むしろいくつかの部分ではMGを超える職人技を見せています。

まず、これでもかと多用される一体成形の装甲・フレームとスライド金型のおかげで、パーツのボリューム感が格別で合わせ目もほぼ消し去っています。これほどスライド金型を多用したキットは私も初めて見ます…全ランナーのあちこちがスライド金型で成形された一体・立体パーツで溢れかえっています。

さらに、MGでもメッキキットにしか使われないアンダーゲートがほぼすべての外装装甲に採用されており、主要な内部フレームパーツにまでアンダーゲートが適用されるなど、射出成形の金型品質に関しては下手なPG以上の金型技術を見せています。加えて外装装甲の多くにはツィンメリット・コーティングのような表面モールドが刻まれています。ランナーを見ただけでプラモマニアの目が釘付けになるほど豪華な成形で、金型そのものにかけたコストは他のキットとは大きく違うはずです。

RRR レイズナーは関節強度の調整に失敗した典型的なケースでしたが(あきれるほどガチガチに固い)、これは試作後に微妙な金型修正を繰り返して詰めていくべき問題です。1/20 スコープドッグはすでにそのプロセスをきちんと経ているようで、全身がちょうど良い渋みで組み心地が非常に良いです。最近多用されるようになった軟質系ABSパーツも大量に使われており、ポリキャップの数が少ないながらも優れた関節強度が確保されています。またガンプラの持病のひとつである握力問題もきれいに解決されています。武器と指の固定突起が1つではなく2つになっているため、あの大きなライフルが手にしっかりと固定されます。このキットで初めて採用されたダブル突起方式を使えば握力問題がすっきり解決できるようで、今後のMGにも採用されることを期待したいですね。

組み立て方法においても実際のメカを組み上げる感覚が味わえるよう、ボディ部分は専用スパナを使ってすべてのボルトを一つひとつ別パーツとして差し込む仕様になっています。非常に興味深い組み立て方式で、このキットがいかに高級なキットであるかを実感させてくれます。

キリコの立ちフィギュアとは別に付属するパイロットフィギュアは、しっかり色分けまでされており、素組みだけでも十分様になっています。顔の部分がぽっかり空洞になっていてなんとなくホラーっぽいですが;;まあそれでも良いパイロットフィギュアですね。

ただ正式なMGキットではないため、デカールが乾式ではなく水転写式が付属しており、貼り付け後のケアをしっかり行う必要があります。トップコートを吹くなり表面処理をするなりしないと、私のように可動中にどんどん剥がれてしまうという悲劇が起きます T_T

こうした基本的なクオリティに加え、頭部・胴体・足部に相当するすべてのハッチがオープン式で、足裏のローラーや錐のギミック、そしてスコープドッグ特有のダウンフォームも完璧に再現されるなど、まさに「スコープドッグ」の決定版と呼べる名品です。

ただ、こうした構造的・ギミックの質感に比べると、可動域の面では物足りなさを感じます。
もちろん、可動よりもミリタリー/メカニック的な雰囲気や機能・ギミックを活かすことに重点を置いたキットなので、そこは許容範囲です。ただし90度程度のオーソドックスな関節の曲がりしか実現されていないため、ダイナミックなアクションポーズを求める方には少し方向性の違うキットとも言えます。とはいえ、他の多くの長所があるおかげで、それほど大きな欠点とは感じにくい部分でもあります。

個人的なボトムズの思い出といえば…中学生の頃、薄暗い漫画喫茶の片隅でボトムズの漫画を読みながら、あの独特な世界観とリアリティあふれるメカニックに、かなりカルチャーショックを受けたものです。そういった経緯もあって、ボトムズはリアルロボット系の伝説的作品として語り継がれてきており、長年の根強いファンも多いですよね。

しかし実際に長年ボトムズを愛し続けてきたオールドファンの立場からすると、こうしたバンダイ最新クオリティ全開のスコープドッグに対して、手放しで高評価を与えてくれるかというと、そうはならない気がします。もともとバンダイのキットスタイルとは少し異なる路線だったということもありますが、それ以上に、バンダイが自分流にプロポーションをスマートに整えてしまったこと、そしてどこか古びた泥臭さがあってこそのスコープドッグが、あまりにも洗練されたメカニカルな仕上がりで出てきてしまったと感じるからではないでしょうか。

メカニックキットとしてのクオリティを主に重視する自分の立場からすると、数年に一度出るかどうかという力作として評価したいところです。普段他のキットではなかなかお目にかかれない贅沢な金型、一体フレームとボルトの組み合わせによるリアルな組み立て方、サクサクと組み上がる最新の手触り感、すべての機能が再現された最新スコープドッグの登場は、本当に嬉しい限りです。

ボトムズをまったく知らない新世代の目線で見ると…スコープドッグのタコ頭に込められた歴史的な意味や、ミリタリー的な汗臭さ、リアルロボット系ならではの生々しさといったものは、なかなか伝わりにくいかもしれません。おそらく最初から新世代よりもオールドファンをターゲットに作られたキットだとは思いますが、それでもこれだけのハイクオリティキットであれば、無条件にオススメできる一品です。

いずれにせよ、せっかく良い趣旨で作り上げたRRRシリーズを後回しにしてまで独自シリーズとして立ち上げたいと思わせるほど、十分に手間のかかったキットであることは認めざるを得ません。メカニックの特性上、好みが分かれそうで万人受けするのは難しいかもしれませんが、極上のキットクオリティや独特の組み立て感、ずっしりとした重量感を求めるメカニックプラモデルマニアには迷わずオススメできる「良いキット」であることは間違いありません。加えて、ガンプラばかり作っていてRRRシリーズを組んで違和感を覚えた方も少なくないと思いますが、この1/20ボトムズに限っては、ガンプラの組み立て感、そしてそれ以上の新鮮な感覚が得られるはず、と一票!投じておきます。:-)

1/20 スコープドッグ | 2007.6 | ¥4,000

AIこのページは Claude Sonnet が翻訳しました。