● PG 1/350 ヤマト発売の意義
2006年……その年のPGは何になるのかについて実にさまざまな議論があり、いくつかの機体は試作品の段階まで進んだという情報もありましたが、結局何も発売されませんでした。理由は、以前ほどのインパクトがある機体がないというのが最大の要因だったでしょう。最も開発費がかかるグレードである以上、それに見合う売上が見込める主役級の機体でなければ成立しないわけですから。
いずれにせよ、その代わりに多くの人を驚かせたニュースが、1/350 ヤマトの発売告知でした。MSではなく戦艦であることを除けば、全体的な開発コンセプトやクオリティはPGと言っても差し支えない、まさに超豪華版のキットを予告していました。おそらくPG側の開発陣が中心になったと思われますが、MSではアイテム選定が難しくなったため方向転換したように見えました。そしてバンダイの開発企画の中心人物である川口名人が来韓された際にも、「事実上今年のPGに代わるものだ」とおっしゃっていました。ええ、そうですね。まあこれを2006年のPGとして受け取るしかないですね ^^;(結局開発期間が延びたのか、発売日も2007年初頭に延期されましたが)
一個45,000円、PGとして見ても前代未聞の超高価なキットとして生まれ変わった1/350 ヤマトの主なコンセプトは「想像するすべてを再現する」だったそうです。バンダイにとってヤマトはガンプラを誕生させるうえで決定的な役割を果たした作品であり、そのアニメ自体もジャパニメーションの歴史において非常に意義深い作品です。そして私を含む70年代生まれの韓国のオールドファンもテレビを通じて触れることができ、独自のメカニック的世界観に深く魅了された人が多くいました。私自身も当時、巨大戦艦による宇宙戦争に魅了され、特に内部メカを描いたイラストや、アンドロメダのような魅力あふれる宇宙戦艦に対するある種のロマンを植え付けてくれた名作として記憶しています。
そして韓国よりも日本でヤマトのロマンを記憶しているオールドファンが圧倒的に多く、そうしたオールドファンをターゲットに出たのがこの1/350 ヤマトというわけです。実際に日本で放映されたヤマトのCMを見ると、メインターゲット層が誰なのかが非常に露骨に伝わってきます。40代の頭の薄いおじさんたちが退勤後に集まってヤマトを作りながら懐かしさに浸るシーンとは…… ^^;
ヤマト自体が第二次世界大戦における日本の軍国主義の象徴と見なされているため、少し反感を持つ方も多いと思いますが、おそらくそういった方々はヤマトのアニメにまったく触れたことがないか、その独特なメカニックの世界についてよくご存じない方なのだろうと思います。もちろん宇宙戦艦ヤマトのデザインが実際の大和のデザインコンセプトをそのまま踏襲しており、内容もある意味では第二次大戦の敗戦国・日本の喪失感を乗り越えさせてくれるような内容と見ることもできるでしょう。ただ、アニメ序盤の雰囲気は明らかにそういった軍国主義的なものとは言いがたいです。
それよりも、新世代の間ではヤマトをきちんと見たことがある方がほとんどいないため、当然こうした思い出や感動が存在せず、正直なところヤマトの超豪華版発売がもたらすカルチャーショックを理解するのは難しいだろうと思います。ただ、キットとして個性的でかっこいいものが出たな、という感覚くらいでしょうか。あわせてヤマトを覚えている人たちとの思い出を共有できないぶん、第二次大戦の軍国主義的象徴というイメージが先に浮かぶかもしれません。
しかし実際にヤマトのアニメや設定に触れてみると、男のロマンをかき立てるあらゆるメカニック的要素と魅力的な戦艦たちで溢れています。ある意味ではガンダムシリーズ以上に..かつてヤマト(V号だの地球号だの太極号だの、韓国ではいろんな名前で呼ばれていましたが)のアニメに触れた方なら、きっと多くの部分で共感できる、男心を揺さぶるような設定です。特にガンダムが好きな方なら大半が共感できる内容。韓国のオールドファンが熱狂するのも、まさにあの当時、魂を抜かれるほど夢中にさせてくれたメカたちへの懐かしさゆえでしょう。もちろん、悲壮感あふれるストーリーと雰囲気も一役買っています。
個人的にはアニメもアニメですが、当時500ウォンのヤマトシールあそびというものがあって、それが妙に記憶に残っているんですよね ^^; 戦艦のシールを宇宙を背景にした絵に貼っていくだけのシンプルな構成なんですが、その戦艦たちがあまりにも好きで(特にアンドロメダ最高!)、一生懸命模写したり、果てはボール紙で切り抜いてぎこちなく作ってみたりした思い出がじわじわと蘇ってきます。
余談が長くなりすぎましたね ^^; キットの話に移りましょう。
● ディテール & 組み立て
とにかく男のロマンをこれでもかと刺激してくれた思い出のアイコンにふさわしく、それをしっかり狙って出てきたキットです。最新のバンダイキットらしく、色分けと繊細なディテールはもちろんのこと、あちこちで開閉するさまざまなギミックもそれなりに忠実に再現されています。正直、これだけでも十分感動ものだったと思います。本当に精巧なヤマトが欲しかったですから。ディテール面ではタミヤのヤマトと比べると野暮ったく見えるかもしれませんが、少なくともバンダイ流という観点では十分満足できるレベルだと思います。特に最近のコトブキヤを意識したのか、とがったパーツが惜しみなく溢れています。(おかげで刺さって痛い思いをすることが多いです)
そして最大のポイントであり価格上昇の要因となっているのは、やはり複雑な電子装備オプション。多数のLEDとモーター、そして電子回路制御部に専用スピーカーまで投入された、これまでのバンダイキットとは次元の違うキットです。そのためスタンドに大きな電池が3本必要で、なかなかカッコいい赤外線リモコンまで付属しています。
複雑な可動のせいで組み立てが難しいだろうと予想していましたが、実際に組んでみるとHY2Mシリーズと比べてもはるかに簡単に感じます。配線を剥いたり撚ったりする作業は一切なく、まるでPCパーツのようにコネクター式になっているので、差し込むだけでOKです。これ以上簡単にはならないでしょう!組み立て難易度は意外と低め。プラモをある程度作ったことがある人なら誰でも手軽に作れるレベルです。当然ながらほぼすべてのパーツはスナップフィットでしっかり固定されますが、ごく一部は接着剤が必要な箇所もあります。
さらに、より精巧さを追求する方向けのディテールアップパーツとエッチングパーツも入っています。エッチングパーツ自体はエッチングにしては難易度が低めで、主に手すり類が多いです。エッチング組み立て用の工具さえあれば特に難しくはないのですが、ただでさえ保管が大変な構造物という点が気になって…耐久性が心配なので私は付けませんでした。(決して面倒くさかったからじゃないですよ!笑)
とにかく、船底パーツを一体成形にするのが一般的な通常の艦船キットとは異なり、骨格を立て、隔壁を立て、肉を付けるように組み立てていく独特の感覚は圧巻です~。バンダイ流シップラとでも言いましょうか…いろんな意味で新鮮です。
● 電子可動部
組み立て工程にあるように、スタンドの電源供給部はコード形式でヤマト本体に接続され、このコードがヤマトを固定する役割も兼ねています。むしろ電源供給よりも固定する役割としての意味のほうが大きいとも感じます。付いているものが多すぎて保管が大変なのに、スタンドへの固定まで難しかったら本当に手に負えなかったでしょう。
スタンドの電池から供給された電源は中央の電子回路制御部へ入り、ここですべての電源配分と動作命令が下されます。最初は「ただ光って音が鳴るだけなのに、なぜこんな複雑な制御部が必要なんだろう?」と思っていましたが、いざいろいろ動かしてみると、なるほど必要なわけだと納得しました。
- 波動砲ギミック :上の動画でご覧のとおり、最初は私もただLEDが点灯するだけだと思っていたのですが…派手な効果音とともに、予熱→発射→冷却までの一連のシナリオを持った「演出」がされています。「こいつら本当に気合い入れて作ったな!」という感嘆も出てきますが、ほんのわずかにおもちゃっぽいという感じもしなくはないです。品質がおもちゃっぽいということではなく、こういう演出設定自体が少しトイ的なアイデアでもあるということですね。とにかく、多重照明による波動砲発射シーンの再現は本当にリアルです。動画ではその雰囲気が20%くらいしか伝わっていない感じで…特に波動砲内部のしわの節々に光が流れていく部分は、動画では全然わからない感じです。ただ真っ白に映ってしまって残念ですT_T(とにかく実物のほうがずっとカッコいいということです)
- エンジンギミック :エンジンもただ光るだけかと思っていたら…こちらもエンジン始動からテンションが上がって飛び去っていくような演出が加わっています。波動砲よりは少し控えめな感じですが、それでもやっぱり楽しい部分です。
- 主砲ギミック :前方の3基、後方の2基がそれぞれ左右回転と上下調整が個別に動くのですが…整列には少し問題があるようです。本体スイッチを入れると最初に原点復帰するのですが、きちんと整列されないことが多いんですよね。もちろん整列を調整するための工具はあるのですが、あまり役に立たない感じ -.-; 特に私の場合、後方の主砲回転時に何かが引っかかっているのか、不自然な動きをします。原因を確認しようと直接分解してみたのですが、よくわかりませんでした…。とにかくリモコンでモーターを動かしていると、まるでRCを操縦しているようでなかなか楽しいです。発砲音はあまり好みではないですが、ないよりはマシといったところ。
- パルス砲ギミック :20門もある小さな砲が高速で左右往復しながら発砲音を出すので、細かくて賑やかな楽しさがあります。ただ砲の往復が速すぎてちょっとせわしない感じもしますが…とにかく効率的な可動ギミックとしてよく動いてくれます。ただし、組み立て時に砲をきちんと整列させて取り付ける必要がある点にご注意を。(組み立て工程参照)
- 艦橋ギミック :艦橋は2つのLEDで点灯する仕組みなのですが…艦橋内部にアルミテープを貼り巡らせることで、光が複数の窓からほんのりと漏れ出てきてなかなかカッコいいです。^_^ 電気を消して見るとウワ~ってなりますよ。このとき船体下部の艦載機格納庫にも光が入ります。(うっかりこの写真を入れ忘れました;近日中に追加しておきます ^^;;)
このような電子ギミックを表現するために、船体内部が各種モーター・制御部でぎっしり詰まっていて、実に充実した感じがします。とにかくこれらのせいで価格がかなり上がってはいますが、少なくとも「想像するすべてのもの」を表現しようと力を尽くしたという気持ちは確かに伝わってきます。
● その他のギミック
- 前部魚雷ギミックはスプリング動作によって出し入れがある程度自動化されています。ただ、思ったほど動作がスムーズではなく、半自動といった感じではあります。また、この魚雷は前後両方にあるのですが、前側にしかこのギミックが入っていないのが少し残念…後ろ側は他の電動ギミックのために省かれたのでしょう。
- 側面魚雷ギミックはカバーを開けるとパッと飛び出すのですが、飛び出す量が少なくてあまり目立たないですね;
- 翼ギミックはスプリングによって自動で展開するようになっていますが、実際にはスプリングの弾力が弱く、ギミック自体にも若干の不具合があって、思ったようにバッと勢いよく展開してくれません。
- 艦橋後方の煙突状の部位の ミサイルギミックはなかなか面白い作りになっています。
- 錨 ギミック部は実際の鎖を使ったリアルさが光っており、展開・巻き取りがスムーズにできます。
- 機体下部の艦載機収納部のハッチが2か所開きますが、実際に艦載機パーツを出し入れするには少し扱いにくい構造です。
● 残念な点 & 総評
まず、夢に描いたすべての機能を盛り込み、最新のディテールと品質で作られているというバンダイの言葉には納得がいきます。本当に思い描いていたもの…砲が動き、パルス砲が動き、あちこちで光も入ってくれる素晴らしいキットです。
ただ逆に、この電子装備に少し不満な点もあります。まず値上がりした価格はともかく、動作がおかしいと感じる瞬間があります。私の場合、電源を入れたときに初期化されず、内部でモーターが空回りする音だけが聞こえることがよくありました。この場合リモコンも動作しなくて…
実際、ヤマトの電子装備の組み立て自体が非常にシンプルなので、ユーザーのミスと思われる部分がほとんどないキットだけに、どこが悪いのかを見つけ出すのが難しいです。ただ電池を抜き差ししたりスイッチをオンオフしたりしているうちに、また正常に戻ります。私以外にも同様の症状を経験された方がいるようなので、若干の不具合があるのではないかと心配になりますね。でも大半は正常動作するので許容範囲です。^^; むしろそれよりも、主砲の一列整列がなかなか決まらないという点のほうが、現実的に地味に面倒な部分のひとつです。
また、これを欠点と言うべきかどうかわかりませんが、音がとにかく大きすぎます -.-;; ボリューム調整もできないのに、特に波動砲やエンジン部のサウンドは家中に響き渡るほどです。特に夜間は触らないのが得策。ただしオーディオジャックが付いているので、イヤホンを挿して聴けば問題ありません。うっかり真夜中に動かして驚かないようにご注意を!
そして本質的な問題として、76cmという途方もない大きさのせいで保管に頭を悩まされます。幸い私はギリギリ保管できるスペースを確保できてなんとかガラスケースに収めましたが、サイズだけでなく四方にパーツがわんさか付いているので、本当に保管に困るキットです;主な尖ったパーツを外して保管するという手もありますが、艦橋はLEDが絡み合っているので簡単には分解できません。専用のガラスケースでも買って入れない限り、誰もが悩むポイントでしょう。
こうした気になる点はいくつかあるものの、バンダイのプラモデル史に長く残る大作であることは間違いありません。幸い発売初期の売れ行きが好調なので、うまくいけばヤマトキットのリニューアルブームが起きるかもしれませんね。
そして組み立てていると気づくことがひとつ…各種電動可動ギミック部とそれに関連するパーツは、ランナー/パーツが徹底して分離されており、梱包まで異なっています。これはつまり、こうした高価な電動可動ギミックを省いた通常版を視野に入れているということでしょう。おそらく2万円前後?
あくまで準備しているだけで、発売するかどうかは市場の状況次第なので軽々しく断言はできませんが、十分その可能性を秘めていると感じます。ついでに言えば、通常版の内部にエンジンや各種内部構造物が精巧なモールドで再現されたら嬉しいなとも思います。^_^
夢を完成させる…という意味で、長年の願いがひとつ叶ったような気持ちにさせてくれるキットです。価格だけ見れば様々な葛藤を生みそうな高価なキットですが、少なくともその物理的・感情的な価値はしっかり果たしてくれるキットだと思います。ただしこれは、私のように幼い頃からヤマトへの郷愁と憧れを持っている方に当てはまる話であって、精巧なメカニカルギミックやタミヤ的な繊細さを期待するなら、やや物足りなく感じるかもしれません。外装の精巧さだけで見れば、コストパフォーマンスが決して高いとは言えませんから。
後悔のないよう、想像できるすべてを実現しようと努力してくれたバンダイの開発者の皆さんに、お疲れ様でしたと伝えたいです。そして…どうせなら、アンドロメダまで出してください!^^;
1/350 ヤマト | 2007.1 | ¥45,000
AIこのページは Claude Sonnet が翻訳しました。