Kit Review
素組み
素組み
2003年末、メカアクセサリーやフィギュアを専門としていたコトブキヤが、突然メカニックインジェクション事業への参入を宣言します。それまでバンダイがほぼ独占していたメカニックインジェクションプラモデル市場に、新鮮な衝撃をもたらしました。そしてその第一弾シリーズは、ゲームとアニメで有名なスーパーロボット大戦シリーズでした。
通称スパロボと呼ばれるこのシリーズは、数多くのゲームバージョンやアニメによって、個性豊かな魅力的なメカニックが溢れていました。ただ、メカデザインを見ると、プラモデル化するにはあまりにも派手すぎるデザインが多かったのも事実です。コトブキヤがこうした奇抜なデザインをどう表現するのか、個人的に気になるところでした。
そしてコトブキヤのスパロボシリーズの第一弾は、やはりヒュッケバインでした。これに対してバンダイは、ガンダムに似たメカニックを製品化するとクレームをつけるという、大人げない対応を見せたりもしたのですが..それもそのはず、ヒュッケバインシリーズのデザイナーがあの「カトキハジメ」なのですから、ガンダムに似ているのは当然のことでしょう..(なにやってんだバンダイ..素人みたいに..)
いずれにせよ、コトブキヤ初のメカニックインジェクションは、当時としてはなかなかのセンセーションでした。ウェーブやアオシマからもメカニックインジェクションが出ることはありましたが、正直バンダイと比べると品質面でかなりの差がありました。ところがコトブキヤのメカニックインジェクションは、ウェーブやアオシマとは何かが違いました。パーツ数もはるかに多く、エッジがシャープで、部分塗装まで施されていたのです。もちろんバンダイの熟成されたクオリティには及びませんでしたが。
コトブキヤキットの特徴は、サイズの割に細かく分割されたパーツで、スケールに対してパーツ数が不思議なほど多いです。ところが全部組み上げると、そのパーツがどこへ消えたのかと不思議な感覚になることも。おかげで色分けの面では非常に有利です。
またコトブキヤキットは、可動域が全体的にやや物足りない傾向があります。若干ポーズが付けられるアクションフィギュアと考えるのが正しいのですが、その代わり見た目重視の姿勢なので..ただ飾っておくだけでもプロポーションが良いことが多く、少し動かすだけでもポーズがかなり決まります。ただしポリキャップが全体的にやや難ありで、キットによって保持力のばらつきが大きい方です。
1/144ヒュッケバインの場合はポリキャップがかなり頼りない方で..腕・肩・膝などの接続部が理由もなくポロリしやすい傾向があります。かといって接着剤で固めると可動が死んでしまうので、なかなか悩ましい問題です。こうした事情から、コトブキヤ初期キットの一部はこうした初期の不満を踏まえて改訂版が発売されており、ヒュッケバインも同様です。
上のボックスアートのうち、左が初版、右が改訂版のボックスアートです。改訂版ではポリキャップの強度が改善され、各部に部分塗装が追加されました。初版は現在ほとんど流通していないので大半は改訂版が販売されていますが、改訂されたポリキャップも品質はそれほど良くはありませんOTL。ただし改訂版は顔・肩・スカートなどに部分塗装箇所が追加されているため、確実に良くなった印象があります。
コトブキヤキットもバンダイ同様スナップフィットを謳い、接着剤なしの組み立てを目指していますが、金型技術の限界なのか固定が甘いパーツが多いです。一応接着剤なしで組み立ては可能なのですが、アクションポーズを取らせたり手で触れたりすると、あちこちからポロリとパーツが外れてきます。特に床に落としたりすると、ほぼ数十個のパーツに分解されることも..;特に小さなパーツがミサイルのように弾け飛んで、どこかへ消えてしまうことも起きます...(二度と見つからないという意味)
コトブキヤキットのもう一つの特徴は、尖ったパーツが多いという点です。これは技術力ではなく方針の違いで..バンダイの場合は海外輸出を考慮して、尖ったパーツは作らないようにしています。海外では玩具に一定以上の鋭利なパーツを制限しているため、なるべく無難な形状にすることになります。場合によってはガンダムの頭部アンテナが国内向け/輸出向けで別々に成形されることもありますが、国内に入ってくる製品はほとんど国内向けです。コトブキヤはそういったことを気にせず、すべての部位の先端をとにかくシャープに仕上げているので、繊細な印象を受けます。ただ、やはり尖った部分に刺さって血が出ることも度々あるので、組み立て時には注意が必要です..
そのため私の場合は、最初にこういった目に何度か遭ってから、ほぼすべての箇所に接着剤を使って組み立てるようにしています。接着剤の臭いは嫌ですが、接着してしまえばはるかに安定感が増しますし、小さなパーツを紛失する心配もなくなるので、精神衛生上なるべく接着剤を使いながら組み立てることをお勧めしたいです。(コトブキヤのほぼすべてのキットに当てはまります..)幸いミリタリーやエアロ系とは違い、接続用のピンがはっきり存在するので、ピンにだけ少し接着剤を塗りながら組み立てれば簡単にできます。
コトブキヤ初のメカインジェクション、ヒュッケバインは半分の成功と半分の失敗と言えます。キットのスタイルや構成はバンダイに近く、新たなメカニックラインナップへの期待を抱かせてくれましたが..バンダイのクオリティを基準に考えると、かなり残念なキットであることも確かです。物足りない可動域と保持力、名ばかりのスナップフィット、目立つゲート跡、やや濁った感じの成形色などなど..
しかしコトブキヤキットには、バンダイキットとはまた違った職人気質が感じられます。特に細かすぎるパーツ分割を見るとそう思うのですが..技術力やノウハウの不足が主な原因なのでしょうが、まるでキャリアは短いけれど夜遅くまで一生懸命頑張る新入社員のような印象とでも言いましょうか..まだ実力は未熟ながら、伸びしろは感じられる、ということです。
それでもこれだけ小さなスケールで、これだけの色分けに部分塗装まで対応したキットというのは、素組みだけでもそれなりに良い仕上がりになるのも事実です。特に関節や可動域には問題がありますが、見た目重視のコトブキヤらしくプロポーションはかなり良好です。キットというのは結局どこかに飾って眺めることが多いという点を考えると、ディスプレイモデルとしてバンダイキットに引けを取らないとも言えます。
いずれにせよ、こうした複雑な事情から、不思議な中毒性と魅力を持っているのがコトブキヤキットです。挑戦心を刺激して、作ってみたくなる魅力があるということですよ...組んでいる最中はちょっとイライラするのに、完成したらすっかり忘れてしまうという..
個人的にはカトキハジメデザインがとにかく好きで、何も考えずに作り始めたシリーズですが、バンダイでは出会えない個性あふれる機体をインジェクションキットで手に入れられるというのが、スーパーロボット大戦シリーズ最大の魅力だと思います。評価はちょっと辛口にしましたが、それでも初挑戦でアオシマやウェーブを一気に引き離すほどの出来栄えとは、お疲れ様でしたコトブキヤ。:-)
ヒュッケバイン | 2003. 12 | ¥2,400
AIこのページは Claude Sonnet が翻訳しました。