MG RX-75

MG 1/100 RX-75ガンタンク

Kit Review

素組み
+ スミ入れ + デカール

1. ついに。

ついに!ガンプラの新たな歴史を切り開いたMGが始まってから
14年目にして、MG ガンタンクが発売されました。
まさに「ついに」という言葉がぴったりのキットです… T_T

長い間、多くの人がMG ガンタンクの発売を待ち続け、それでもバンダイがなかなか出さないものだから、いつの間にか旬を過ぎてしまったんじゃないかと思えるほどになっていましたね…結局あれこれ苦しいときに使うための切り札として温存してきたんだろうと思っていましたが…時間が経てば経つほど、それがバンダイの開発者たちにとってはどんどん大きなプレッシャーになっていったことでしょう。

まずガンタンクは、一般的なMSとは構造的にも、生まれながらにしても大きく異なります。「脚なんて飾りだ!」というジオングもいますが、ガンタンクは脚がないのではなく、脚の代わりに無限軌道の駆動部があるわけですから。動かせるのは腰と腕、頭部くらいで、よくよく考えてみると、MGというプレミアムブランドとして何か特別なものを盛り込むには、なかなか難しい機体だったんだろうなとは思いますね。

まず発売前から多くの方が予想していたのは、キャタピラを連結式で再現することです。さすがにのっぺりしたゴム素材で入れるのは格好がつかないということで、高級戦車プラモデルで使われるレジン風の連結式キャタピラを採用するのが最有力と予想されていました。もちろん、組み立て式アクションフィギュアに近いガンプラに採用するには耐久性がやや心配ではありましたが、とにかく見栄えは確実ですからね。

ただそれ以外に、これといって予想できる、あるいは期待できるMGならではのスペシャルポイントが見えにくかったんです。一時期はラジコン可動式で出るという話もありましたが、どうもオモチャっぽくなりそうで現実味に欠けて見えましたし、高級オートプラに採用されるスプリング可動式サスペンションも、なんとなくバンダイが採用しそうなアイテムではありませんでした。

結局「いったい何をしようとしてこんなに引っ張るんだ!?」という疑念だけが積み重なっていった10数年でしたね…

2. 基本に忠実
+ 新しいアイデア

まず、結果的にMG ガンタンクは小手先の手法より「正攻法」に頼ろうとした印象を受けます。何か斬新でキレのある「何か」よりも、これまで積み上げてきたすべての技術力を総動員して、希代の傑作ザク2.0に匹敵する最高クラスのクオリティで仕上げようとした努力の跡が見えます。一言で言えば、まず基本に忠実であろうとする意志が感じられるということで、模範的な選択だったと思いますね。

まず頭から足先まで完璧にフレームを再現してくれているのですが、フレームのスタイルはザク2.0と非常に似た印象です。MG F91のような細かいディテールよりも、ディテールは少しシンプルでも立体感と造形感に優れた全身フレームで、ザク2.0のようにどことなく柔らかくもしっかり締まった絶妙な質感を見せてくれています。

胴体や腕、頭部のフレームはともかく、下半身のフレームは少し見慣れない造りになっています。Gアーマーでも少し味わいましたが、MSのようなロボット形態ではなく、塊のような感じのフレームです。しかしここにはGアーマーの一体フレームよりも一段階進化したものがあって、それが幾重にも重なった内部フレームの中にあるさらなる造形です。そして、こうした下半身の多重フレームを成立させているヒップジョイントシステムこそが、MG ガンタンクの核心と言えるでしょう。

MG ガンタンクで最も驚かされる部分は、キャタピラ駆動部をまるでMSの脚のように扱っているという点です。これは明らかに発想の転換であり、バンダイ開発陣が長年悩み抜いた末の成果と言えます。胴体から両側のキャタピラ駆動部へとつながる部分に多関節を採用し、キャタピラの高さや固定幅、固定角度の変更から回転まで可能にすることで、ガンプラの多機能ヒップジョイントのように動作させている点が最も驚きです。実際に触ってみると「おお〜!」と思わず声が出るほど、気持ち悪いくらい柔軟にキャタピラ駆動部が動きます。

おかげで、まったく予想していなかったダイナミックなガンタンクのアクションポーズが再現できるようになり、やはりMGはMGだ!という感嘆の声が出てきます。発売当初はリンク式キャタピラがそれなりに話題になっていましたが、正直なところ昔からタンクのプラモデルに使われてきた手法なので、特に目新しい感じはしませんでした。この素晴らしいガンタンクのヒップジョイントを見ていると、リンク式キャタピラなんてむしろ邪魔(すぐポロリするし…)という気さえしてくるほどです。

こうしたヒップジョイントの可動に加えて、立体感たっぷりに作られた両側10基のサスペンションは、別途スイッチで角度を調整できるようになっており、キャタピラ全体の高さを調節するという贅沢なオプションも追加されています。このオプションまで加わったことで、ガンタンクのキャタピラ駆動部は前代未聞の可動を見せることになったわけです。

次の新しいアイデアとしては、前腕の装甲を回転させることで4基の40mm四連装ミサイルランチャーが交互に出し入れできる可動ギミックがあります。シンプルながら非常に面白いギミックで、MGならではのスペシャルサービスと言えるでしょう。

MG ガンタンクにはLEDギミックも採用されているのですが、最初は「何か入れてスペシャル感を出したかっただけじゃないの?」という蛇足に思えました……が、頭部コクピットの操縦桿を照らす用途として絶妙に活かされています。クリアパーツの上に半透明の計器盤シールを貼り、その裏からLED照明が照らすことで、なかなかそれらしい雰囲気が出ていますね。実際には外部にはあまり光が漏れてきませんが、操縦席を照らすという機能においては、やはりMGらしいギミックだと感じます。

そして新たに再解釈された設定があります。背部ダクト内部に配置された120mm砲弾部です。このダクト内部に立体感のある砲弾パーツを背中に組み込むことで、肩上部の低反動キャノン砲への弾薬供給システムという設定をしっかりと確立した形になっています。

その他にも、当然のようにコアファイター/コアブロックシステムの再現や、前部ブルドーザーギミックの展開、後部キャリアのオープンなども、なかなかサービス精神旺盛だなと感じます。

3. 残念な点

さて、期待が大きかった分、残念な点ももちろんあります。

まずリンク式キャタピラは、それ自体ザクのビーズ通しを超えるかなりの作業量を誇り、ゲート処理とスミ入れにもかなりの手間がかかります。もちろん完成すればゴム素材よりも造形感が良いのは確かです。ただ、リンク式キャタピラの特性上、連結部の耐久性は少し落ちます。簡単に折れたりはしないようですが(予備が4個入っているので大きな心配はいりません)、キャタピラ駆動部を上下や横に動かしていると、ポロリとはずれやすいです。丁寧に扱う必要がある部分ですね。

また、リンク式キャタピラを接着なしでピンと張った状態にしなければならない関係で、キャタピラが垂れ下がった形を再現するのは少し難しいです。片側合計38個のキャタピラパーツにもう1個追加して接着すれば自然に垂れた形になりそうですが……そのまま38個だけ連結した状態では連結するだけでもタイトで、「リンク式」という感じがやや薄れてしまいます。

タンクのプラモデルの場合、リンク式キャタピラパーツを適度に垂らして接着固定することで独特のリアルな雰囲気を出すこともあるのですが、もともとリンク式キャタピラの大きな強みがまさにこの「自然な垂れ下がり」の表現にあるからです。一方MG ガンタンクはどちらかというとアクションフィギュアに近いため接着がためらわれ、そのためリンク式キャタピラの強みを100%活かすのは少し難しいようです……。

MG ガンタンクの驚くべきヒップジョイントシステムにも弱点があって、内部のヒップジョイント前部についている可動式シリンダーが少し厄介な存在になっています。何度も動かしていると微妙に可動式シリンダーの位置が定まらなくなり、固定部がポロリしたり、さらには外れたまま内部で引っかかってヒップジョイントの可動を妨げることがよくありました。常に引っかかるわけではないのですが、いろいろなポーズを取らせていると頻繁に引っかかるようになります。つまりシリンダーが十分に余裕を持って動くには遊びが足りないと感じるのですが、少し設計ミスのポイントではないかと思います。ヒップジョイントを下げてから再び上げるとき、不思議なほど折りたためないことがあるのですが、そのときに無理をするとシリンダー上部の連結部が折れやすいので注意してください。(私の場合、あまりにも引っかかるので、いろいろな角度でアクションポーズを撮影する際は内部のシリンダーパーツをあえて外して撮影しました。)

そして発売当初からすでに不満の声があった透明のキャノピー……設定では緑のクリアパーツで出るべきところ、おそらく好みの色で塗装したいユーザーへの配慮なのか、そのまま透明で出てきてしまい少し浮いた感じがします。もしそういう意図だったなら、コトブキヤのように透明パーツと有色クリアパーツを両方入れてくれればよかったのに……という残念さがありますね。個人的にコトブキヤのキットはほとんど作ってきましたが、技術力の差を補うための彼らのサービス精神をバンダイにも見習ってほしいと思うことが多いです。^^;

5つの下部ホイールをつなぐサスペンション部は、絶妙なスライド金型とパーツの組み合わせでかなりの立体感を見せてくれているのですが、実は本物のスプリングで表現していたらどうだったかな、という惜しさがあります。コトブキヤのゾイドシリーズのように、可動はしなくてもカッコよさを優先する方向にしてもよかったのでは、ということです。MG ガンタンクでは最先端のプラスチック成形技術で中が空洞の螺旋スプリング形状を一体成形しているのですが、これは成形技術上かなり難しい技術です。そこに費やす時間とコストを省いて、すっきりと本物のスプリングを入れてくれた方がよかったのでは……と、少し無理にプラスチックだけで表現しようとしすぎたのではないかという気がしないでもないです。

このようにいくつか残念な点はあるものの……それだけ長い間大きな期待があったという裏返しでもあるでしょう :-)
(じらしすぎだよ、バンダイ……)

4. MG、その名に恥じない出来

詳細なギミックの特徴や見た目はレビュー写真を参考にしていただければと思いますが……もしかすると重要なのは、あれほど長い期間待ち続けたこのキットの「感触」は果たしてどうなのか、という点かもしれません。もちろん人それぞれ差はあるでしょうが、すべてのMGを作ってきた私個人の感想としては……まず 待った甲斐はあった、という感じです。

実は期待と待ち望む気持ちが大きすぎて……どんなMG ガンタンクが出てきても満足するのは難しかったかもしれません。いや、出てきてくれただけでも感謝だったかもしれませんね。それだけ多くの人にとって複雑な思いが交錯するキットだということでもあります。

全体的にバンダイ開発者たちの苦心がよく反映されているように感じますし、遅く出た分だけ最新技術の恩恵をしっかり受けているのも事実です。ザク2.0以降に出てくれたからよかったものの、もし10年前に出ていたら凡作になっていたかもしれない機体だという気がします……。結果的に「待った甲斐がある」という意味は、待った分だけ最新技術で出てきたという点そのものが嬉しい、という意味合いの方が強いです。現時点でこれ以上優れたMG ガンタンクには出会えないでしょうから。

いずれにせよ、優れたフレームの質感や立体感、十分な関節強度、多彩で新しいギミックは十分に合格点を与えられると思います。大事なのは個々人がどれほどの期待を持っていたかという点がこのキットの満足度に大きく影響するでしょうが、上で述べたように、待ち疲れた気持ちから来るひねくれた目線と、出てきてくれただけでありがたいという嬉しさが入り混じった、微妙な感覚ではないかと思います。私のようにね :-)

 GOOD 3 : 予想外のユニークなヒップジョイント、完璧なフルフレーム、基本に忠実な高品質。
 BAD 3 : 待ちくたびれた、出るの遅すぎじゃない?、MGガンタンクも 出ちゃったし、次の目玉は何になるんだろ? (スマイル-)

MG RX-75  Guntank
分野評点分析
合わせ目★★★★★ワンパーツ祭り。
成形色/色分け★★★★★元々ガンタンクは色分けしやすいデザイン。ワンパーツ成形が多め。
プロポーション★★★★★期待していたイメージから大きく外れない優等生。
可動域★★★★★MSとは違う!想像を超える駆動部の可動域..
関節強度★★★★☆連結式キャタピラの固定が少し甘め..
内部フレーム★★★★★ガンタンクも完全フレーム構造が実現できたんだな!最高クラスのフレーム。
ディテール★★★★★MGのクオリティにふさわしいディテール。連結式キャタピラはグッド。
武装/付属★★★★★もともと別途武装はないが、多彩なギミックでカバー。
パーツ数/価格★★★★★全335パーツ。1000円あたりのパーツ数69.8。少し割高感もあるけど..
独自性/特異性★★★★★
★★
長い待ち時間を報いてくれる彼らの創意工夫に拍手を
Dalong's Point : 107 pts.

MG 1/100 RX-75ガンタンク | 2009. 9 | ¥4,800

AIこのページは Claude Sonnet が翻訳しました。