"「パーフェクトとはまさにこういうことだ」
1995年のMG登場でガンプラ界を驚かせたバンダイが、真の意味で渾身の力を注いで生み出した傑作、それが1998年11月に発表されたパーフェクトグレード(Perfect Grade)RX-78です。当時、1/60という大型スケールで、そのスケールにふさわしくMGの品質をも超える真の「パーフェクト」を見せてやると世に送り出されたPGが公開されたとき、大多数の反応は「期待をはるかに超える圧倒的なクオリティのマスターピース」というものでした。私自身も写真と噂だけで知っていたものを実際に作ってみて、度肝を抜かれた記憶があります…。
1/60は、18mの標準的なガンダムのサイズをちょうど30cmに縮小できる(計算がシンプルな)、文字通りのビッグスケールです。ビッグスケールだからこそ、より多くのディテールや色分け、設定上のさまざまなギミックを盛り込むことができます。PG RX-78の特徴はいろいろありますが、改めてPGならではの特徴をまとめると以下の通りです。
- 指の関節一つひとつが全可動
- 全身の内部メカフレーム(驚異的なレベル…)
- 機体各所の数十か所にわたるハッチオープン再現
- 機体各部の主要関節のほぼすべてに、設定に基づく数十本のシリンダーを装備し、実際に可動
- 脚部のサスペンション再現
- LEDによるカメラアイの点灯
- 曲げられる限りすべて曲げ切れる、超ハイレベルな可動域
- 複数のパーツを一体成形する驚異の多重一体成形技術を大量採用
上記の特徴については、各部位ごとのレビュー写真に詳しく収めていますので、部位別の詳細レビューをご参照ください。一言で言えば、もう言葉は要りません。驚愕の超ハイクオリティ…!その分、価格も1万円台を突破した高価格帯で、パーツ数もとんでもない量です。人によって差はあるでしょうが、素組みだけで通常12時間以上はかかると思ってください。
PGを作りながら感じるのは、開発者の凄まじい職人魂です。見えない隅々まで数え切れないほど詰め込まれたディテール、これだけのパーツ数でありながらどこ一つ合わせ目がズレることなくピタッとはまる精度、そして不思議なほどあちこちに曲がりながら実現される無限とも言える可動域……ガンプラマニアが夢見るあらゆる機能がほぼすべて詰め込まれていると言っても過言ではないでしょう。本当に「作品を作り上げよう」という開発者の魂があちこちに宿っています。
こんな細かい説明よりも、100枚以上撮影したレビュー写真を見ていただければ、きっとわかっていただけると思います。
では、PG RX-78に欠点はないのか? そんなことはありません。
まず最もよく指摘される点はハッチ部分です。フルハッチオープンという非常にカッコいい状態を再現できる一方、各部のハッチの固定が弱く、ハッチを開けようとするとポロリと落ちてしまうことが非常に多いです。特に腕と脚のハッチがひどく、あまりにも精巧で複雑な構造ゆえの代償とも言えます。もちろんハッチの接続部を接着剤で固定すれば完璧なのですが、そうすると外装をすべて取り外せなくなるため、現実的にはなかなか難しいですね…。
2つ目に、PGは膨大な量のパーツの集合体であり、内部から外装まで文字通りぎっしりと詰まったキットです。そのため重量が1kgに迫るほどずっしりと重い。この重さのせいで、機体を支えきれなくなることがしばしばあります。関節部は全体的にかなりしっかりと組まれていて強度はあるのですが、いかんせん重量が重いため、バランスが崩れることがあるんです。特に最も荷重がかかる足首部分は、関節自体は決してゆるくないのに、機体の重さのせいで前や後ろに少しずつ傾いてしまうケースが多く発生します。腕も、肘を曲げた状態で武器を持たせていると、自重に負けてだんだん下がってきます。ですからしっかりとした姿勢で自立させるには、重心をきちんと合わせるなど気を遣う必要があります。
3つ目に、理由はよくわかりませんが、すべてのMGに付属しているドライデカールがなく、シールのみの付属となっています。仕上がりのきれいなドライデカールが省かれているのは、いろいろな意味で残念な点です…。
4つ目に、価格を基準に考えると武装がやや物足りない印象です。基本武器のビーム・ライフルとシールド、そして当然付属のビームサーベル程度しかなく…。バズーカや各種武器はカスタムセットとして別売りで発売されてはいましたが、キットのボリュームを考えると少し寂しい気がします。
5つ目は…それほどひどくはないんですが、各関節が動く指の部分がほんの少しゆるい感じがします。一部の関節は動かしているうちにポロリしやすいですし、もう少し渋めだったらよかったなと思います。
もちろんこういった欠点はあるものの、実際に作ってみるとキット自体の圧倒的なクオリティに飲み込まれて、どれもかなり些細なことに見えてきます。^^; PGの最大の特徴は…見た目は本当にすごいんですが、実際に自分で作ってみると…本当にすごいと実感できるという点です。(-_-a ??) 百聞は一見にしかず、ガンプラマニアなら必ず一度は通っておくべきコースがパーフェクトグレードです。どれだけ写真や言葉で聞いていても、実際に作ってみて感じる「これはすごい」という感動は、なかなか言葉では伝えきれないかもしれません。
PG RX-78は、この記事を書いている2004年時点ですでに6年以上前の初期PGキットですが、GP01のような最新PGと比べても全く見劣りしません。むしろ、初版からすでにある種の境地に達していたグレードなので、大きく進化させる余地がそもそもあまりないということなのかもしれませんね。
ただ、説明書の最後のページを見ると「PG RX-78 ver. 1.0」と表記されています。
ということは…まさかMGのようにv1.5やv2.0が発売される可能性もある、という伏線だったりするんでしょうか?^^
PG 1/60 RX-78-2 ガンダム | 1998.11 | ¥12,000