● 5年ぶりの新金型PG
2009年の春には4年ぶりのPGとしてアストレイが発売されました。このまま一年が過ぎていくのかと思っていたら..年末になって新たなPG、ダブルオーガンダムが発売されましたね。どうせPG アストレイはバリエーションキットでしたから、2004年11月のPG ストライク以来、ちょうど5年ぶりに完全新規のPGが発売されたことになります。本当に長い間じっくり温めた新作です..
川口名人のお言葉どおり、PGはアイテムはもちろんのこと、何か「新しい技術」がなければ出せないとのことでしたね。PG ダブルオーにはクラッチ関節と特殊エフェクトのGNドライヴという斬新な技術が披露され、それに加えてPGでしか味わえないさまざまな感動を詰め込んで発売されました。
ランナー構成を見ると、おそらく最初はストライクのようにオーライザーを別売りで企画していたようですが、最初からドカンと話題を作りたかったのか、セット販売になりました。まあそれが良いとも悪いとも言えますが..おかげで価格が25000円にもなってしまいましたね;
● PGの組み応え。
まずこのキットは、確実にPG伝統の組み応えを見せてくれます。内部までぎっしり詰まったフルフレームと高水準のパーツ分割、ビッグスケールでしか見られない贅沢なギミック…MG ザクIIを彷彿とさせるようなじわじわとした滑らかな組み立て..まったく新しい技術であるクラッチ関節を完成させながら感じる独特のカルチャーショック…
まずダブルオーだけ完成させて飾っても、本当に「PGはPGだ!」という感覚が得られる組み立て工程と組み応えです。他はともかく、長い間完全新規PGの組み応えに飢えていた方なら、その醍醐味は十分に楽しめると思いますね。MGや他のグレードでは味わいにくい素晴らしいパーツ分割と、完成後のずっしりとした存在感..さらに歴代屈指の関節強度を誇るため、とにかく完成後の組み立て工程に対する満足度はかなり高かったです。
また、箱のサイズと価格が物語るように、おまけのように見えたオーライザーのボックスのパーツボリュームが非常に大きく、全体的にたっぷり~とした充実感のあるキットです。PGといえばやっぱり部屋中に広がるランナーの嵐!と叫ぶ方には嬉しいお知らせですね。
● New Technology 1:クラッチ関節
PG ダブルオーライザーには、クラッチ関節というかなり斬新な試みがありました。部分レビューでも確認できるように、腕に各3個、脚に1個ずつ、合計8個のクラッチ関節が使われています。これはまるで自動車のクラッチに似た構造で、スプリングの張力によって噛み合った2つの歯面を利用して保持力を高める関節です。駆動力を伝えるための自動車とは違い、このキットでは逆に動きを止めるために使われているというのが異なる点ですね。
クラッチ関節が採用されている部位は、指で丸い部分を押さないと正常に動かせず、離した状態ではかなりしっかりと固定されます。全体的に少し保持力が曖昧な肘を除けば、固定性は驚くべきレベルと言えるでしょう。おかげでアクションポーズ時の保持力が飛躍的に向上したのは確かです。
ただ……このクラッチ関節に点数をつけるとしたら、B+くらいの評価を与えたいところです。機能自体は確かなんですが、実際にじっくり検討してみると首をかしげる部分が少なくないんですよね。
- 全体的にポーズを変えるたびにいちいちクラッチ関節を押さないといけないので……正直ちょっとしんどい面がある ;;
- 組み立てがやや難しめなので、マニュアルをしっかり見ながら丁寧にやる必要がある。下手をすると可動自体ができなくなることも ;
- 重量バランスの関係上、主にスタンドに乗せた状態で動かすことになるため、いざ脚のクラッチ関節の有用性はそれほど大きくない。
- オーライザーまで付けて重心が上に偏っていても、自立したときの安定感は抜群なんですが……
これは脚のクラッチ関節のおかげではなく、股関節と足首のポリキャップの固定がしっかりしているからだ。
- 肩のクラッチ関節はしっかり固定されるものの、いざ胴体側の肩関節が弱いため、腕を大きく上げるのが難しい。
- 手首のクラッチ関節は可動域が狭すぎて有用性が低い。
- 押す部分が時々渋くなって、ボタンの出し入れがしづらくなることがある。
- デザインの特性上、関節部に丸い形状が存在するOO系のPGにしか適用できないという制約がある。
こうして書き並べると少々残念な印象になってしまいますが(^^;)、かなり意義のある技術的な試みであることは間違いありません。個人的な結論としては、まだそれほど有用だという実感は得にくい、というものですが……今後もう少し改善されれば、大型キットの関節方式に一段階のレベルアップをもたらす可能性もあるかなと思います :-)
● New Technology 2:回転・振動・発光の特殊効果
2つ目の新しい試みは、特殊効果パーツの活用です。1/100ノングレードでさえGNドライヴにLEDを仕込んでくれたわけですから、さすがにPGの面目として単純にLEDを入れるだけというわけにはいかなかったんでしょうね。^^
PG ダブルオーのGNドライヴは組み立て済みの完成品として別途梱包されており、1個あたり1800円もする高価なパーツです。もちろんキット自体の価格がもともと高いので少し目立ちにくいですが、その内部には小型モーターによる回転、それによる振動とサウンド、そして複数LEDの回転による幻想的な発光効果まで詰め込まれています。一言で言えば回転・振動・発光の特殊効果という見たことのないパーツで、1/350ヤマトに入っていたさまざまなギミックをミックスしたような印象です。
まずこのGNドライヴの特殊効果を初めて見ると、かなり不思議で思わずしばらく遊んでしまいます。^^ 一度上を押すとLEDが点灯しながらゆっくり回転し始め……だんだん速くなるにつれて、花火のように光が広がっていきます。およそ1分が経つと自動で止まりますが、再度スイッチを押しても止まります。(レビューの動画を参照)
マニュアルによると、ユニットごとに時間差があるため、両方のGNドライヴが同時に止まらないこともあるので心配しないようにと書かれています。またこのキットは珍しいことに、CR2032というボタン電池まで同梱されていますが、よく見ると「テスト用」と明記されています。つまり動作確認用なので、電力がやや弱かったり、すぐに消耗する可能性があります。実際に同じ種類の新しいボタン電池を入れると、光もより明るくなり回転も速くなるので……より派手な発光を楽しみたい方は、別途ボタン電池を購入することをおすすめします。
可動動画をご覧になった方はご存知かと思いますが、このGNドライヴの特殊効果ギミックは回転時に独特の音が発生します。意図的に入れられた駆動音ではあるんですが……かなりノイズっぽいサウンドなのは確かです。聴き方によってはかなり気になる場合もありそうで、この辺りは個人差がある部分ですね。いずれにせよPGらしい面白いギミックとして十分評価できますし、今後エクシアのようなOO関連のPGが発売される際にも必ず再利用されるパーツとして期待されます。
おまけに、PGの基本とも言える頭部LEDも入っていますが、目・耳・後頭部のシールを貼ってしまうとLEDの光量をかなり遮ってしまいます。どうせシールの上を覆う緑のクリアパーツにはレーザーで文字まで刻まれているうえ、このクリアパーツに隠れてシールがよく見えなくなりもします。-.-; できれば目・耳・後頭部のシールは貼らないことをおすすめします。
● 関節強度のアップグレード
まず最初に触れたいのは関節強度の部分です。クラッチ関節による強力な保持力もさることながら、全体的なポリキャップの安定感が歴代PGの中で最も優れています。実際、PGはどれも重さのせいで足首が耐えきれないケースが多かったですよね。PG アストレイの場合はかなり改善されていましたが、胴体にアクセサリーがなかったので目立ちにくかった面もあります。
PG ダブルオーライザーは見るからに上半身に重心が偏った形状です。PG ダブルオーガンダムモードなら胴体がスリムなので自立は簡単ですが……オーライザーを乗せると不安定になるだろうと予想していました。ところがどっこい、全身にオーライザーをてんこ盛りにしてGNシールドまで装備しても、少しポーズを整えてやるだけで安定感のある立ちポーズが決まります。PGをたくさん作ってきた方ならわかると思いますが、私自身もすべてのPGを作ってきたからこそ、この自立時の関節強度がいかに素晴らしいかに感嘆しっぱなしでした。ついにPGでも完璧な関節強度が実現されたんだ!という喜びが込み上げてきましたね。
PG ストライクを見ても、素体レベルでは全く問題ない脚・足首の関節ですが……エールストライカーパックを付けるとかなり不安定になります。だからスタンドが必須のキットでもあるわけですが、PG オーライザーはそれよりはるかに重い荷物を背負っているにもかかわらず、はるかに安定感があります。さらにPG アストレイで採用されていた滑り止め用の足裏ゴムパッドまで付いているので、ちょっとぶつかっても倒れません :-)
ただ……アクションポーズや展示の場合は、やはり専用スタンドの方が見栄えがするので、自立時の安定感がそれほど必要ではないかもしれません。また、肩など一部の部位はやはり巨大で重い武装を保持するには力不足な面もありますが、いずれにせよPGの持病とも言える関節強度の問題を大きく改善したという点では、確実に優れた最新PGと言えます。
● 可動域、可動域……
PG ストライク以降、同じ非宇宙世紀系のPGなら圧倒的な可動域は当然のように求められる雰囲気がありますよね。MGの可動域も大幅に向上しているので、PGならではのメリットも確保しなければなりませんから。まず最新PGらしく、腕脚の完全な折りたたみはもちろん、股関節スライドギミックと独特の胴体ギミックまで加わって、A+クラスの可動域を見せてくれます。
特にスカート部分が素晴らしく、シンプルな構造でありながら脚が十分に動けるスペースをしっかり確保している点がとても気に入りました。もともとデザイン的にTパンツのようなシンプルなスカートだからという面もありますが、それでもそのスカートが可動の妨げにならないよう工夫した跡が感じられます。
胴体の丸いリングに沿って首・肩・腰が同じ円周上を回転するギミックは、その精度とアイデアがかなり秀逸です。組み立てていて最も感心した部位なんですが、中央が大きく開いているのは、今後のPG エクシアとも共有するための意図もかなりありそうに見えます。実際の可動域がそれほど突出しているわけではないですが、小さなパーツが組み合わさって巨大な構造物が完成していくような胴体可動ギミックの組み立て感は本当に最高!
股関節についても従来の方式から少し改善が加えられていて、それが固定ピンの部分です。よりダイナミックなポーズのために股関節ギミックをスライドさせるキットは多いですが、大抵はスライド後の固定に難があるケースが多かったです。これまでこの点への指摘も多かったと思いますが、PG ダブルオーではこの部分の保持力をほぼ完璧に解決しています。部分レビューを見ていただければわかりますが、固定ピンの形状と固定部の溝を改善したことで、一度固定すると全く動かなくなりました。ある意味些細な部分ですが、思わず口元がほころぶくらい満足のいく改善ポイントです。
当初はPG特有の象徴とも言える一体成形の指ではないということで失望の声も多かったですが、実際に組み立ててみると組み立てやすく、関節部の関節強度と保持力も確実に向上していました。一言で言えばランナー上での見栄えよりも実益を追求したケースで、ゲート跡の処理が少し手間ですが、よほどのことがない限り指がポロリしそうな感じはなく、なかなか好ましい変化だと思います。ただし手のひらの突起と武装のグリップ部との結合は……あまり満足のいくものではありませんが、まあ何とか保持できるレベルと見てもよさそうです。それよりも武装自体が長くて大きすぎるのが問題かもしれませんが T_T
PG ダブルオーの可動域における最大のネック…それはまさに足首部分です(?)。HG ダブルオーのように横に完全に倒れるほどの異常な可動とまではいかなくても、構造上かなり大きく横に曲げられるデザインであるにもかかわらず、思ったほど倒れてくれません。正直、そこまでする必要があったのかな?と思ってしまいますね。
それよりも、足首の前後の可動範囲がちょっと残念です。前方向へはありがたいことに足部分が2段階で折りたためるので何とかなるんですが、後ろ方向はほとんど遊びがなくてほんのわずかしか動きません。この足首前後の可動域の制約のせいで、多くのモデラーさんが改造に挑戦しそうですが…おそらくバックヘビーなキットなので後ろに倒れるのを根本的に防ぐためにこういう設計にしたのかもしれませんが、相対的にかなり惜しい部分であることは否めません。「床に置くよりスタンドに乗せる方がいいキットだから足首は関係ないんじゃ?」という疑問も出てくるかもしれませんが、スタンドに乗せても足首があまり曲がらないので、なんとなく躍動感が損なわれる気がします。ただ足をまっすぐ伸ばしたいだけでも常に90度の直角姿勢を維持しなければならないので、ちょっとカッコがつかないですね。
● ちょっとシンプルすぎるディテール
PG オーライザーの最大の残念ポイントといえば、ディテール面ではないかと思います。全体的にスタイリッシュな造形で、プロポーションも優れていて立体感も素晴らしいんですが…PGにしてはかなり物足りないディテールです。つまり外観をパッと見ただけでは1/100とほとんど変わらないように見えるほど、特筆すべきディテールがあまりありません。もちろん近くでじっくり見れば確かにPGなんですが…他のPGのようにはっきりと差別化されたディテールの外観とは言えません。
こうした装甲の外装だけでなく、MGはもちろんPGの基本である装甲裏のモールドがかなりバラバラです。モールドが細かく入っている装甲もあれば、まったく入っていない装甲もあって…何か統一した基準がないように見えます。今後クリアカラー装甲の発売が確定しているキットなのに、このままではクリア装甲の違和感まで心配になってきます。まるで開発スケジュールに追われて、あるいは関節強度や新規ギミックに注力するあまり…ちょっと雑に処理した感じがするのは否めないようです。
決定的なのは、PGにしてはちょっとどうかと思うくらいのっぺりした内部フレームのディテールです。なんとなくフレームだけは年々退化していっている気がするんですが…素晴らしいフレームディテールを誇っていたPG ストライクと比べると、あまりにもシンプルなフレームです。特に腕部分はパーツを彫るのも面倒だったのか、ほぼ無地のフレームに近くて、正直ここはかなりがっかりな部分です。多くの方がPGといえばやっぱり超精密フレームだよ!とおっしゃるでしょうが、これはちょっと…意外ですね。OTL
正直に言うと、あまり評判の良くないPG ウイングゼロカスタムのフレームよりもディテールが劣っています。もちろん今回のPGのコンセプトは徹底してアクションフレームとして、シンプルながら造形美のあるフレームを追求した…と言われれば返す言葉もないんですが。パッと見るとディテールよりも造形感を重視したMG ザク2.0のフレームスタイルで、見方によってはそれが悪いとも言い切れないかもしれません。いずれにせよ、精密で細かいPGのメカニカルフレームを期待している方は、その期待は諦めた方がよさそうです。
そしてオーライザーについては、まるでスカイグラスパーのように元々は別売りアクセサリーレベルで企画されたかのように、あまりPGらしい面を見せてくれません。フレームもほとんどなく、あってもそれほど良いディテールではありません。あえて言えば完全に別売りだったスカイグラスパーよりは全体的に上のレベルですが、それでもオーライザーはただのビッグスケール1/60オーライザーに過ぎず、PG ダブルオーガンダムまでがPGという感じがします。その分ちょっと申し訳なかったのか…2枚分にもなる豊富なオーライザー専用武装のおかげで少しリッチに見えるのは確かですが :-)
このように全体的に今回のPG ダブルオーのキットがハイディテールではなく別のところに重点を置いたのは理解できるんですが、歴代最高価格の25000円にもなる最上位グレードのガンプラPGとしては、少なくない批判を受けるのではないかと心配になります。
● 本当に「新しい」PG
この「新しい」PGという言葉には、いくつかの意味が込められています。まず5年ぶりの新金型に加え、新しい試みが盛り込まれたキットなので当然新しいわけです。それ以上に、なんとなく私たちが知っていたPGとは少し違う感覚の新しさがあります。なんというか、PGの進化の方向性に変化があったとでも言いましょうか。
巨大なサイズにもかかわらず、しっかりした関節と最高クラスの可動域を実現する点では大きな進歩がありましたが、ディテールや細かい部分では何か距離感があるからです。この現象の良し悪しはさておき、オールドファンやマニアが好むようなハイディテールよりも、より多くの人が気軽に楽しめるアクションフィギュア的な方向へ進化したという印象です。
こうした進化という観点からは、確かにPG ダブルオーライザーは優れたPGと言えます。もしかしたら非宇宙世紀だからそういう方向性になったのかもしれませんし、今後宇宙世紀のPGが出ればまた変わるかもしれません。重要なのは…なんとなく昔の初期PGスタイルとは少し違う方向へ発展したという点で、これをどう受け取るかは人それぞれ違いがあるでしょう。
全体的には、B+からAをつけられる新作PGです。極限のディテールへの期待さえ手放せば、さまざまな新しいギミックと久しぶりに触れる最新PGの手応えを感じられる、楽しいキットです。いつの間にか価格が25000円まで上がってしまいましたが、長い間物価が反映されてこなかったガンプラの価格を考えれば、まあ受け入れられなくもないかな。それよりも、細々と続いてきたPGのラインナップが、このPG ダブルオーを機にまた盛り上がってくれればいいなと思います :-)
PG 1/60 ダブルオーライザー | 2009.11 | ¥26,000
AIこのページは Claude Sonnet が翻訳しました。