HY2M Glorious 1/60 MS-09R

HY2M グロリアスシリーズ 1/60 リック ドム

Kit Review

素組み + スミ入れ + シール

1. はじめに

HY2Mの頭文字であるHybridという言葉は、工学的には「いいとこ取り」を意味します。さまざまな技術を組み合わせるという意味と捉えてください。このHY2M製品群の代表的な特徴は、LEDを採用した発光システムと言えるでしょう。最もよく知られているのは、MGの頭部を3個セットで販売するHY2M発光ヘッドセットです。そしてもうひとつの衝撃的なシリーズが、1/60のビッグスケールHY2M グロリアスシリーズです。

HY2M グロリアスシリーズはそれぞれ8000個限定生産という制限が設けられ、大きな告知もなくひっそりと発売されたため、知らずに見逃してしまった方も少なくないと思います。どんな見た目でどんな構造なのか、公開されている情報も非常に限られていて、私自身もいったいこれは何の製品なのかと首をかしげながら、ダメ元で入手してみたわけです。いざ届いてみると、通常のPGの箱をはるかに超える巨大なケースに驚き…また安っぽい黄ばんだ箱の外装にがっかりしましたが、中身を開けてそのボリュームとクオリティに改めて驚かされました。

2. ボリューム/プロポーション

まず、もともとボリューム抜群と言われるリック・ドムが1/60で登場したわけですから、脚部や胴体をはじめ各パーツのサイズがかなり大きいです。完成後のボリューム感は、最近発売されて話題を呼んだMG パーフェクト・ジオングをも上回る印象です。パーフェクト・ジオングは(上の写真にもありますが)背は高くても上に行くほど細くなる独特なプロポーションですが、リック・ドムは全体的に豊かで安定感のあるボリュームを持っています。写真からも十分伝わるかと思います。

実はバンダイの正規ラインナップではなく番外的な開発品ということで、プロポーションや成形色などにはあまり期待していませんでした(以前の1/400 ホワイトベースのとんでもないクオリティに面食らった経験があったので)。しかしHY2M グロリアス リック・ドムは違います。全体的に成形色も非常に良く、大きなプラ板を成形しながらもヒケや不均一な箇所もなく、非常に滑らかに仕上がっています。またアンダーゲート方式が採用された外装パーツもあります。問題は、同じ装甲パーツなのにアンダーゲートのものとそうでないものが混在していて…いったいどんな基準で分けたのか少し謎ですが、まったくないよりはマシですよね ^^;

プロポーションもリック・ドムらしさをよく表現した優れた出来です。全体的には、MG リック・ドムをそのまま拡大したような印象を受けます。プロポーションもそうですし、可動域も似ていて、ディテールのレベルもちょうどMGと同程度です。スケール的にPGと比較されることが多いと思いますが、内部フレームはありません。内部フレームの面ではMGよりも簡素で、内部にLEDの配線が複雑に通っているので当然の結果かもしれません。ただ、完成して飾ってしまえば内部フレームなんて見えませんから、PGと並べて展示するのにまったく遜色はありません。むしろ最もボリュームのある体格で他のPGを圧倒するくらいです。1/60のビッグスケールでリック・ドムという機体が非常に綺麗に立体化されているというだけでも、ボリューム面で他のキットを圧倒する存在感があります。

3. 可動域/関節

可動域はPGほどではありませんが、あのずんぐりとした体型にしてはかなり頑張っているレベルで、アクションポーズもそれなりに決まります。PG以外の1/60キットは指が二重関節程度にしか対応していないことが多いですが、このリック・ドムは指が全関節可動というのは非常に気に入っているポイントです(1/100 MG パーフェクト・ジオングは例外ですが…)。腰も二重関節でかなり広い可動範囲を持っています。

内部の各関節は、大きな本体を支えられるよう、すべての主要関節部が六角ネジとナットで保持力を調整できる構造になっています。つまり、渋みのきつさやゆるさを組み立てる人が適宜調整できるということです。そのためポリキャップはまったく使われていません。このネジ調整式関節はすでにPG ウイングゼロカスタムでも採用された方式ですが、PG ウイングゼロカスタムとは少し異なります。リック・ドム側の調整用ネジのサイズがはるかに大きいです。

ネジ調整によって保持力はある程度確保されますが、この締め付け式関節の特性上…なんとなくキットがぐらつく感じがするのは避けられません。なんというか、腕や脚がぶらぶらとたわむような感じとでも言いましょうか…(余計わかりにくいかもしれませんが -_-;;)。とにかく実際に触ってみないとわかりにくい問題ではあるのですが、関節を動かすときにきしむような音がして、スムーズには動きません。スムーズに動いてしまったらゆるくなってしまうのでしょうが。PG ウイングゼロカスタムは単純に「渋い」という感じでしたが、HY2M リック・ドムはその渋さにぐらつく感じが加わっていて、少し気になる部分ではあります。

とはいえ、あの大きな体格がぐらぐらだったら本当に手の施しようがないわけで、幸いそこまでではありません。^^;

4. 組み立て工程と必要な道具

組み立て工程(Joint)のページをご覧になった方はお気づきかと思いますが、HY2M グロリアスの組み立て難易度は決して甘くはありません。プラパーツを切り取って説明書通りに組めばいいPGやMGとは、少し次元が違うキットです。最も難しいのはやはり配線と接続で、マニュアルがそれほど親切ではなく「あとはユーザーが自分でよじって繋いでくれ」というレベルです。そして問題は、その配線量がかなり多いということです。

まず、最初につまずくのがおそらく専用スパナです。1.5mmと2.5mmの2種類の六角スパナが必要なのですが、この数百円もしない工具がキットに入っていないのが問題です!ドライバーはどこにでもあるからまだしも、このスパナは専門的な工作をする人でなければ持っている可能性が低い工具なので、工具店に行って自分で買ってこなければなりません。たまたま(?)私の職業が電子系のエンジニアなので、いろんな変わった工具がすぐに手に入る環境にあって手持ちのものを使いましたが、このスパナを初めて使う方は少し戸惑うかもしれません。特にこれだけ高価なキットに、これくらいの安い工具もサービスで入れてくれなかったというのは少しイラっとします(なんてこった…)。ちなみに次に発売されたHY2M グフにはこのスパナが同梱されているので、いっそHY2M グフも一緒に買ってしまうというのもひとつの手かもしれません…(^^;;;)

次に、ラジオペンチがあると非常に便利です(ラジオペンチとは、先端が細く長いペンチのようなものです)。小さな管の中に電線を通してしっかり締め付けなければならない場面が何度もあるため、先端の大きなペンチでやると少し面倒です。それからセロハンテープもあると助かります。電線を一時的に固定しておかなければならない場面が多く、配線が多いので頭が混乱してきます。そんなときにテープで貼り付けておいたり(貼ったまま封じても、どうせ装甲を開けることはないので問題なし)しながら固定すると楽です。

こうした電線接続をする際に参考になることがひとつあります。電線の先端をしっかりよじっておくと、接続もしっかりできて後でほどけにくくなります。電線が使われているすべてのキットで参考になる内容です。電線の先端を2本に分けて三つ編みのようによじる方がいますが、これはあまり良い方法ではありません。接合が少し弱くなります。日頃から電線をよじり慣れた熟練エンジニアのノウハウをお伝えするなら…(さあ、一緒にやってみましょう~)露出した金属線の先端全体を指でしっかりつかんだら、ゴムの被覆部分を手で持ってそのままくるくると回します。そうして適度によじると電線全体がしっかり絡み合って、かなり丈夫によじれます。(Jointページの写真 参照)少し練習が必要ではありますが、何度かやってみるとこちらの方がはるかに丈夫だとわかります。(私の部下に新人が入ってきたとき、一日で百本ほど練習させるとすぐに上手くなります -.-;)

通常、電線が使われているキットは自分で電線先端の被覆を剥いてよじらなければなりませんが…HY2M シリーズは親切にも、電線先端の被覆が少し剥かれた状態で引き出されています。(Jointページの写真 参考までに)本当に親切なサービスと言えますね。上記のように電線を一本一本ねじらずに、少し引き出した被覆部分だけを持ってゆっくり回しながら抜いていくと、ある程度きれいによじれてくれます。ただし先端部分が完全にはよじれないので、上で紹介した方法も併用しないときれいに仕上がりません。

HY2M リック・ドムの組み立てで重要なのは、マニュアルをとにかく丁寧に読まなければならないということです。また、手順を正確に守らないと後で組み立てがこじれることがあります。特にLEDを取り付けるたびに、マニュアルの指示どおりにボタン電池を使って接続状態を一ステップずつ確認しながら進めないと、後で痛い目を見ることになります..!ボディ上部のスイッチ部分を仕上げる際には、この作業の難易度が極みに達しますが、とにかく丁寧に..マニュアルどおりにゆっくり慎重に進めましょう。

これだけ多数のLEDや金属パーツ、電線、ネジ、金属リングなどが実に247点にも上り、その組み立てもかなり複雑なため、HY2M リック・ドムの組み立て難易度はすべてのガンプラの中で最も「手ごわい」と言えます。完成までにかかる時間もPGを超えます。ただ、長年ガンプラ製作で鍛えてきた方なら、面倒な工程が多いだけで、正常に完成させること自体に大きな問題はないと思います。それでも多少は気を引き締めて臨んでください..^^;

5. 発光!

結局のところ、HY2M は発光で勝負するキットです。^_^

バックパック、腰部、脚部、足裏など各所に17基ものバーニアLEDが発光する様は..感動そのものです。こんな体験は他のどんなキットでも味わえないだけに、HY2M リック・ドムの独自性は他のキットとの比較を拒むほどです。照明の状態によって光の雰囲気も変わりますし、写真よりも実物の迫力がはるかに強烈です。本当に何度見ても感動的な..!

それに比べると、モノアイや胸部の点灯はそれほど大きな感動はありません。PGでもその程度は標準でできますからね。

もうひとつHY2Mの特筆すべき点..それがホールICの採用です。

ホールICとは、周囲に一定以上の磁場が検知されると電流を導通させる、無接点センサースイッチの一種です。ちなみにこれは、携帯電話のフォルダーを開閉する際に、閉じた状態を検知して液晶画面をオフにするスイッチとして非常に広く使われています。価格は大体10〜20セント程度。ホールICという名前は聞き慣れないかもしれませんが、実はみんなポケットに一つや二つ入れて持ち歩いているほど、ごく一般的なものです。

仕事が携帯電話関係のエンジニアなもので、少し話が脱線しました(-_-;) とにかく、HY2M ヘッドセットの電源スイッチもこのホールICを利用しているのですが、HY2M リック・ドムのバズーカの電源にも使われています。手のひらに仕込んだ磁石がバズーカのグリップ内のホールICに近づくと自動で点灯します。なので左手がバズーカのグリップを握ると勝手にオンになる..初めて見たときはめちゃくちゃ不思議でした^^;

こうして20箇所以上にわたる絢爛たるLEDの発光を眺めていると..電線接続の苦労がすっかり溶けて消えていくようです..

6. 総評!

正直なところ個人的には、会社で毎日回路設計してハンダ付けして線をよじって接続するのが仕事なのに..慣れているとはいえ、家に帰ってまでこんなことをするとは一体何なんだ..という気持ちもありました。ただ、普段ガンプラだけを組み立てている方には、かなり新鮮なキットに感じられるのではないかと思います。

ずっしりとした重量感、完璧なボリューム、幻想的なLED発光..こういった特徴を考えると本当にこの上なくユニークなキットなのですが、最大のネックはやはり18000円という高い価格でしょう。コストパフォーマンスという観点では、評価が分かれるところです。また、大衆向けではなく限定生産という点から、入手がやや難しいという面もあります。

いずれにせよ、比較的人気の高いリック・ドムという機体が、これほど巨大なスケールに独特の技術を組み合わせ、高い品質で登場してくれたこと自体、かなりありがたいキットです。^^

HY2M グロリアスシリーズ 1/60 リック ドム | 2003 | ¥18,000

AIこのページは Claude Sonnet が翻訳しました。